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ネナシカズラ属 Cuscuta(菟絲子 tùsīzĭ 屬)には、世界に約170-220種がある。
マメダオシ C. australis(南方菟絲子・歐洲菟絲子) 絶滅危惧IA類(CR,環境省RedList2020)
北海道・本州・四国・九州・琉球から広く旧世界に産
アメリカネナシカズラ C. campestris(C.pentagona var.calycina;
原野菟絲子・田間菟絲子)
アメリカ原産、世界の温帯に帰化 『中国本草図録』Ⅶ/3311
ハマネナシカズラ C. chinensis(C.maritima;菟絲子・菟綫子・金絲藤・
豆寄生・無根草) 『中国本草図録』/0778・『中国雑草原色図鑑』169
アマダオシ C. epilinum(亞麻菟絲子;E.Flax dodder) イラン・中央アジア原産、歐洲に分布
ツメクサダオシ C. epithymum(百里香菟絲子;E.Clover dodder) 北アフリカ・歐洲産
クシロネナシカズラ C. europaea(歐洲菟絲子・大菟絲子)『中国雑草原色図鑑』171
北海道・黑龍江・内蒙古・山西・陝甘・靑海・新疆・四川・雲南・チベットから
歐亞温帯・北アフリカに産 絶滅危惧IA類(CR,環境省RedList2020)
ネナシカズラ C. japonica(金燈藤・日本菟絲子・大菟絲子・女蘿・無根草;
E.Japanese dodder)『中国雑草原色図鑑』170
C. reflexa(大花菟絲子・展瓣菟絲子・雲南菟絲子) 『中国雑草原色図鑑』171
湖南・四川・雲南・チベット・インドシナ・インド・アフガニスタン産
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ヒルガオ科 Convolvulaceae(旋花 xuánhuā 科)については、ヒルガオ科を見よ。
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和名は、成長した株に根がないことから。
『本草和名』菟絲子に、「和名禰奈之久佐」と。
『延喜式』菟絲子に、「ネナシカツラ」と。
小野蘭山『本草綱目啓蒙』菟絲子に、「ネナシカヅラ ウシノサウメン江州。ツリブネサウニモ此名アリ ウマグサ同上。大豆圃中ニコノ草生スレハ全圃マトヒカラス。故ニ名ヅク サルノハマイ城州玉水 サウメングサ東国 ナツユキ佐州」と。
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中国の古典に現れる菟絲子は、本種・ハマネナシカズラ・ C.europaea などであろうという。
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北海道・本州・四国・九州・琉球・朝鮮・極東ロシア・遼寧・吉林・黑龍江・華北・西北・四川・貴州・雲南・兩湖・兩廣・華東・臺灣・ベトナムに分布。
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ネナシカズラ属の植物は、初め地上に生えるが、寄主に巻きつくと根が無くなる。
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中国では、ネナシカズラ属 Cuscuta(菟絲子屬)の幾つかの植物の全草を菟絲(トシ,tùsī)、種子を菟絲子(トシシ,tùsīzĭ)と呼び、薬用にする。『中薬志Ⅱ』pp.410-414 『全国中草葯匯編』上/751-752 『(修訂) 中葯志』III/583-587
マメダオシ C. australis(南方菟絲子)
〇ハマネナシカズラ C. chinensis(C.maritima;菟絲子・菟綫子・金絲藤・豆寄生・無根草)
クシロネナシカズラ C. europaea(歐洲菟絲子・大菟絲子)
ネナシカズラ C. japonica(日本菟絲子・大菟絲子・金燈藤・女蘿・無根草
C. reflexa(大花菟絲子・展瓣菟絲子)
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中国では、別の植物に絡まるところから、女蘿とともに夫婦の象徴。
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