ねなしかずら (根無蔓)

 学名  Cuscuta japonica 
 日本名  ネナシカズラ
 科名(日本名)  ヒルガオ科
   日本語別名  
 漢名  金燈藤(キントウトウ,jīndēngténg)
 科名(漢名)  旋花(センカ,xuánhuā)科
   漢語別名  日本菟絲子(ニホントシシ,rìbĕn tùsīzĭ)・大菟絲子、女蘿、無根草
 英名  

2010/08/22 富山県魚津市

 ネナシカズラ属 Cuscuta(菟絲子 tùsīzĭ 屬)には、世界に約170-220種がある。

  マメダオシ C. australis(南方菟絲子・歐洲菟絲子) 絶滅危惧IA類(CR,環境省RedList2020)
         
北海道・本州・四国・九州・琉球から広く旧世界に産
  アメリカネナシカズラ C. campestris(C.pentagona var.calycina;
         原野菟絲子・田間菟絲子)
         
アメリカ原産、世界の温帯に帰化 『中国本草図録』Ⅶ/3311
  ハマネナシカズラ C. chinensis(C.maritima;菟絲子・菟綫子・金絲藤・
         豆寄生・無根草)
 『中国本草図録』/0778・『中国雑草原色図鑑』169
  アマダオシ C. epilinum(亞麻菟絲子;E.Flax dodder)
 イラン・中央アジア原産、歐洲に分布
  ツメクサダオシ C. epithymum(百里香菟絲子;E.Clover dodder) 北アフリカ・歐洲産
  クシロネナシカズラ C. europaea(歐洲菟絲子・大菟絲子)『中国雑草原色図鑑』171
         
北海道・黑龍江・内蒙古・山西・陝甘・靑海・新疆・四川・雲南・チベットから
         歐亞温帯・北アフリカに産 絶滅危惧IA類(CR,環境省RedList2020)
  ネナシカズラ C. japonica(金燈藤・日本菟絲子・大菟絲子・女蘿・無根草;
         E.Japanese dodder)『中国雑草原色図鑑』170
  C. reflexa(大花菟絲子・展瓣菟絲子・雲南菟絲子)
『中国雑草原色図鑑』171
         湖南・四川・雲南・チベット・インドシナ・インド・アフガニスタン産
   

 ヒルガオ科 Convolvulaceae(旋花 xuánhuā 科)については、ヒルガオ科を見よ。

 和名は、成長した株に根がないことから。
 『本草和名』菟絲子に、「和名禰奈之久佐」と。
 『延喜式』菟絲子に、「ネナシカツラ」と。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』菟絲子に、「ネナシカヅラ ウシノサウメン
江州。ツリブネサウニモ此名アリ ウマグサ同上。大豆圃中ニコノ草生スレハ全圃マトヒカラス。故ニ名ヅク サルノハマイ城州玉水 サウメングサ東国 ナツユキ佐州」と。 

 中国の古典に現れる菟絲子は、本種・ハマネナシカズラ・ C.europaea などであろうという。

 北海道・本州・四国・九州・琉球・朝鮮・極東ロシア・遼寧・吉林・黑龍江・華北・西北・四川・貴州・雲南・兩湖・兩廣・華東・臺灣・ベトナムに分布。

 ネナシカズラ属の植物は、初め地上に生えるが、寄主に巻きつくと根が無くなる。 

 中国では、ネナシカズラ属 Cuscuta(菟絲子屬)の幾つかの植物の全草を菟絲(トシ,tùsī)、種子を菟絲子(トシシ,tùsīzĭ)と呼び、薬用にする。『中薬志Ⅱ』pp.410-414 『全国中草葯匯編』上/751-752 『(修訂) 中葯志』III/583-587  

   マメダオシ C. australis(南方菟絲子)
  〇ハマネナシカズラ C. chinensis(C.maritima;菟絲子・菟綫子・金絲藤・豆寄生・無根草)
   クシロネナシカズラ C. europaea(歐洲菟絲子・大菟絲子)
   ネナシカズラ C. japonica(日本菟絲子・大菟絲子・金燈藤・女蘿・無根草
   C. reflexa(大花菟絲子・展瓣菟絲子)
   

 中国では、別の植物に絡まるところから、女蘿とともに夫婦の象徴。 



跡見群芳譜 Top ↑Page Top
Copyright (C) 2006- SHIMADA Hidemasa.  All Rights reserved.
クサコアカソウ シュロソウ スハマソウ イワチドリ チダケサシ 跡見群芳譜トップ 野草譜index